―――――――― 物語編:第六段 兇惡ナル奇跡 ――――――――


■第六話のおさらいです

プロローグ:命落とした猫が、化け猫へと生まれ変わる

翠、シロ・クロと散歩中に化け猫と遭遇。二匹が連れ去られる。

千草、翠とともにクロの遺体を発見。その夜、千草に猫又クロが憑依する。

千草・クロが十三階段のもとへ行く。翠、奏を加えて皆で化け猫の根城へ乗り込む。

化け猫の罠により、各々が化け猫の創りだした世界へ精神転移する。

化け猫「翠」と猫又「千草」の戦い/十三階段がシロと再会

猫又:十三階段が化け猫に敗北。猫又千草による、十三階段救出作戦開始。

十三階段、シロ・クロの二匹憑依。化け猫を追い詰めるも、悪魔の猫匣を行われる。

十三階段サイド完全敗北。化け猫、奪った階段転移能力を使用するも、首刈りにやられる。

化け猫事件解決。引き換えにシロが消滅。

エピローグ:翠が新たな誓いを胸に立ち直る。

「兇惡ナル奇跡」おしまい。



■■■■■■■■■■■■■




ねこいっぱい ■「猫・ねこ♪・ネコ☆・ぬこー!」な、お話になった理由

今回のお話は、ご存じの通り「猫」をテーマにしたお話です。
この話の始まりは「ねこ耳キャラを描きたい!」っていうところから始まり、「十三かいにゃん」「緑苑坂ちぐにゃ」というワードに繋がり……そして、お話組み立て、といった感じです。

あとは、そこから猫耳姿のキャラクターたちを想像し、どうすればそこから面白い設定や物語を作れるか…ということを考えました。結果、化け猫を敵キャラとし、相反する猫怪異である猫又を味方サイドにつけるという流れになりました。

言い伝えなどの本来の化け猫と猫又の設定とは少し違う形とはなりましたが、面白ければOKなのが本作です。(猫又っていうのは、本来は長生きした猫がなるものです…が今作ではそれを無視していますといった点)

あと、これまで書いてきたお話と繋がりを持たせたいという気持ちがあり、たびたび本作では「猫」が登場するのでそれを使用しようと思った次第です。春編なんか、ちょいちょい猫(クロ)いますしね。


■猫の特殊能力を色々と考えるのは楽しかったです

今作では、化け猫・猫又共に数々の特殊能力を持っています。
猫だまし、猫かぶり、猫まねき(本編中では名前出ていないですが、黒招き猫のアレ)、猫三昧(ねこざんまい)、猫三味線(ねこじゃみせん)、猫ばば、悪魔の猫匣…といった具合です。

ちなみに、暗闇を可視化する「猫の目」は能力というよりは体質的なものです。
猫に関する言葉をいろいろ辞書で引いて、そこから想像して能力を決めたりしました。猫三昧には“幼子の墓地”のことを。兵庫の一部地域では言うそうで、そこから「死」を連想しあの能力としました。
猫三味線は、猫三昧と漢字表記が似ているので、相反能力としてと、また、ここぞというときの見せ場技だったので、BGMも特別なもの……それも能力名を際立たせるもの(⇒三味線調のものにしよう!)ということで決定です。

そして、超カッコいいシーンが出来上がったのですよ!!!あのBGMホントいいですよね!
そんな超カッコいい猫三味線BGMは「おとわび」というサイトさんの“風焔”という曲です。
ちなみに、このサイトさん夏編のおまけタイトルの曲でも使用させていただいていたりします。和テイストの曲いろいろあっておすすめですよ。



首刈り ■兇惡ナル奇跡……その終わり方

このお話の化け猫決着は衝撃的な終わり方をしますよね。そう、第一話の首刈りを利用するという手法。
実はこの終わらせ方、本来はシリーズ終盤の別の強敵が登場するお話でやろうと思っていたのですが(その案では十三階段が自ら階段を開いて)、化け猫のねこばば能力の設定を伏線利用してやるのが、適しているんじゃないかと思い、おもいきって今回の落ちとして使いました。
ななしシリーズをやるにあたって、用意してある、数枚の衝撃的な幕引きカードの一枚を使ってしまったわけです。
でも、最高に高ぶる落としどころではないでしょうか。あの化け猫を一瞬で消す「首刈り」の凶悪さを再び再認識させられますよね。実に恐ろしい。……とはいえ、これは春編一話をプレイ済み前提なので、秋編スタートのかたは、置いてけぼりしてしまいますね。でも、そこで、春編に興味を持ってもらえれば良しです。





シロの雲 ■とても優しい気持ちな終わり方

この話、化け猫:首刈りエンドでかなりショッキングですが、最終的な落としどころは優しい感じになっていますね。

この話、結構暴力的ですが、練り始めはもっと優しいものでした。
このもともと、このお話のサブタイトルは「きみと眠りて」というものでした。やさしいタイトルです。そんな理由でシロクロの登場シーンはお昼寝から始まっていました。ただ、このタイトル案を思いついたときは、シロクロともに存命で翠とともに、お昼寝をする終わりかたでしたね。そんなわけでの旧タイトルです。

また、この話では「名前を付ける」「シロの名前を呼ぶ」という重要ポイントから「君の名は」というタイトルが大真面目 にピッタリだったのですが、明らかにアニメ映画の方と被ってしまうので、残念ながらあきらめましたね。あと一年ぐらい、早く作れていれば「君の名は」編になっていた可能性は大きいですね。
そして、いろいろ考えての「兇惡ナル奇跡」です。「化け猫誕生」「首刈りによる化け猫消滅」という、望まぬ偶然……凶悪な奇跡が引き起こす物語というわけです。

少し、脱線しましたが、優しい終わり方をして、「ホラーだけどどこか、優しい」そんなものにしたかったのです。
ちゃっかり、このエンディングシーンの雲の一つががシロのシルエットをしているのは、皆さん気が付かれましたでしょうかね。ちゃっかりです。



■今回のエンディング……とても気に入っています!!

上記の青空文字の後に始まる本作のエンディングがお気に入りです。
ななし史上初めての流れるエンディングですよ。まるで映画みたい!!
ただ、曲と画像のタイミングを上手く合わせるのにかなーり苦労しましたが、これまで書いてきた記念イラストなんかが上手い具合に役にたったり、本作のメインBGMやプロモ動画で使用した声入り曲の使用など、本当にきれいにできたんじゃないかと思います。

実は、以前に別作品「みえないみる」にて、流れる終わり方をやっていたので、そのときの経験というのも上手く活かせたんじゃないかな。








それでは、今回はこのくらいでおしまいです。(^o^)ノ

次回は7月30日頃を予定しています。




★――― くーの〜と♪ メニューページへ ―――★









inserted by FC2 system